インプラント8万より ‐ インプラントの団地会館歯科 HOME > 解説> 第5章

第5章

インプラントQ&A ・2010年5月14日

Q.手術中や手術後の痛みが心配です。
A.手術は部分麻酔で行います。痛みは感じませんが、感触や機械音が怖いという人には、静脈注射で精神安定剤と鎮痛剤を使います。これを使うとほぼ手術中の記憶を残さないまま終了します。

Q.歯の色はどのように決めるのですか?
A.残っている歯の色に合わせたり、好みの色を選ぶことができます。

Q.インプラントを入れたとき冷たい・温かいなどの感覚はどこで感じるの?
A.インプラントはなくなった歯(神経も失った歯)に対して行うので、感覚はありません。しかし、歯はもともと熱伝導率が低く、インプラントでなくても歯の感覚はそれほど敏感なものではありません。

Q.インプラントはいくらくらいかかるのですか?
A.保険診療ではありませんから、1本20万~60万円ほどと、診療所によってかなりばらつきがあります。私のクリニックでは総額1本15~23万円となっています。金額の幅は歯冠部分の材質(金属、プラスチック、セラミック)によります。

Q.よいインプラント治療を受けられる病院って?
A.インプラント治療は、骨に金属を埋め込むのですから、感染しないような外科的処置技術が求められます。また、骨と埋め込んだ金属はくっついていて、自然の歯にある歯根膜に当たるものがなく、ゆとりの部分がないので、埋め込む位置と方向を決めるための高い精度が求められます。粗末な治療では完璧な人工歯も台無しになってしまいます。

Q.深さ1.5㎝くらいの穴を開けるということですが、アゴの神経に触れてしまうことはないのですか?
A.アゴの神経を傷つけないようにアゴに穴を開ける行程は、今までは長年の経験がものをいう微妙な手術でしたが、最近開発され、当院でも使い始めた「IGIシステム」では、手術を行うハンドピースに発光ダイオードをつけ、赤外線カメラでドリルバーの位置を把握できるので、口の状態を正確に映し出した3D画面を見ながら、手術を行えるようになりました。
 このシステムは、イスラエルの軍事技術であるミサイル追撃システムの応用といわれており、これによって骨の位置を確認するため歯肉を切開してから穴を開ける必要もなくなる場合もあります。
 手術の正確さはもとより、時間の短縮、予後の状態が改善されると考えられます。

総入れ歯ーすべての歯を抜いてしまったとき ・2010年5月13日

 総入れ歯とは、すべての歯を人工の歯にする場合に、義歯と一体になった義歯床をアゴの土手に吸着させて使用する入れ歯です。
 部分入れ歯が健康な歯や歯の根で入れ歯を支えるのに対して、総入れ歯は義歯床が歯ぐきに乗っただけの状態。総入れ歯を支えるのはアゴの土手だけですから、はずれやすいのは当然です。義歯床はプラスチック製の分厚いもので、入れたそばから違和感を感じることがほとんどだと思います。
 入れ歯を長く使っているうちに、アゴの骨は収縮して小さくなってしまいます。歯を失うとアゴの骨が使われていない状態だからです。プラスチックの入れ歯がアゴの骨に圧力をかけるのも、アゴの骨を縮小させる原因です。アゴの骨が収縮するとアゴのサイズが小さくなるので、入れ歯が合わなくなるというのも自然なこと。1~2年おきに入れ歯のつくり替えが必要になります。
そのうえで、入れ歯の長所をあげるとすれば、材質を選ばなければ保険診療が利くということでしょうか。総入れ歯を保険診療のなかでつくるなら約2~3万円、自己負担が3割の人なら約7千円~1万円ぐらいと、相当安価で失った歯を取り戻せるということにはなります。

◆総入れ歯ができるまで
★抜歯して型をとります
 抜歯をしたら、歯を抜いたあとがきれいになるまで2週間以上はあけてから、歯とアゴの型(印象)をとります。「印象」をもとに石膏模型をつくり、歯科技工士が、患者さんのもとの歯や歯ぐきの色を想像して素材を選びます。かみ合わせの型(咬合)をとったら、歯科技工士は入れ歯の製作に入ります。
★蝋義歯を試しに入れます
 入れ歯を作っている間は、歯とアゴの型・かみ合わせの型でつくった蝋義歯と呼ばれるワックス製の義歯装着します。歯並び、かみ合わせをチェックして総入れ歯の完成をめざします。
★完成した総入れ歯を装着します
 完成した総入れ歯を着けてみて、アゴに合っているか、かみ合わせはうまくいっているかなどチェックして微調整します。違和感がある場合は、きちんと医師に伝えましょう。入れ歯を装着後何度か通院して、よい状態にもっていきます。

◆総入れ歯のケアのしかた
アゴの粘膜ごとおおってしまう総入れ歯ですから、慣れるまでには時間がかかります。入れたとき嘔吐感があったり、唾液が出づらく□が乾いたり、反対に唾液が出すぎたりすることもあります。慣れるのに数か月を要し、自然になるのには1年以上は必要です。
★入れ歯はブラシで洗う
 入れ歯にも歯垢やステインがつくので、食後は歯ブラシで磨きましょう。ピンクの部分の義歯床はプラスチックでできているので、唾液や口の中の汚れを吸い取ってしまいます。磨くだけでは不十分なので、義歯洗浄剤につけてきれいにしましょう。寝ている間、入れ歯をはずしているときに行うとよいでしょう。水ですすいでから使用します(煮沸消毒は厳禁です)。
 入れ歯だけでなく、口腔内の清浄も忘れずに。やわらかい歯ブラシで全体をブラッシングしましょう。
★夜、寝ている間ははすします
 総入れ歯は、常に歯ぐきをおおっているアゴの粘膜を圧迫しています。血行を妨げると栄養もいきわたらなくなるので、アゴがやせてしまいます。夜寝るときは入れ歯をはずしましょう。
★総入れ歯安定剤は必要に応じて使う
 総入れ歯安定剤は、入れ歯が簡単に落ちてしまったりして困るときには、使うとよいでしょう。
★定期的に歯科医のチェックを受ける
 合わない入れ歯をそのまま使っていると、アゴの骨を変形させたりかみ合わせが悪くなって体調にもひびきます。入れ歯によって圧迫されている粘膜がある、入れ歯に均一に力がかからずゴロゴロする、歯肉がこすれたりするといった場合は、すぐに歯科を受診して調整してもらいます。
 メンテナンスのためにも、それ以降も半年おきぐらいに歯科を受診することをすすめます。

部分入れ歯ー数本の義歯を入れる

 失った歯が複数本以上の場合や1本でも一番奥の歯の場合は、ブリッジをかけることができないので、入れ歯かインプラントの選択となります。
 取り外せないブリッジに対して、「取はずしができる有床義歯」が入れ歯です。有床義歯の「床」は、義歯床といわれるもので、その床で歯ぐきを挟んで安定させます。
 部分入れ歯で一番多いのは、近くの健康な歯にクラスプという金属のバネをかけてその弾力を利用して取り外せるようになっているタイプのものです。上顎か下顎の部分入れ歯で両奥歯を失っているときには、その2つをプラスチックでつなぎます。

◆支えになる歯に負担が相当かかります
 部分入れ歯は残っている歯を削らずに済みますし、食事のあとははずしてきれいに洗うことができます。しかし、安定性の面からいうと、食べ物をかんだときに、どうしても少し下がるので、クラスプを通して土台の歯に負担がかかってしまいます。長期間使うことで、だんだんと土台の歯への負担は大きくなり、歯が動きやすくなったり歯周病のリスクも避けられません。
 そのほか部分入れ歯の欠点としては、着脱が面倒なこと、口をあけたときにクラスプが見えるので入れ歯を入れていることがわかってしまうこと、両奥歯を失っているときは、内側の部分が舌に当たっていつも違和感があることなどがあげられます。
 土台にする歯に金属のクラウンをかぶせ、その上に外冠のついた入れ歯をかぶせるテレスコープ義歯や、入れ歯に凹部、受け入れる歯(健康な歯)に凸部をつけ、両者をホックのようにはめて連結させるアタッチメント義歯など、普通の部分入れ歯の欠点をカバーするものもあります(保険適用外)。

◆部分入れ歯もメンテナンスを
健康な歯にたよってかむ力を保つのが部分入れ歯です。歯とアゴの粘膜でかんだときの力を負担するので、粘膜の消耗は大きく、アゴの土手もやせてきます。治療後も、3~6か月ごとに歯科を受診して歯の状態をチェックしてもらいましょう。

ブリッジー近くの歯で失った歯を支える

 ブリッジは、名前の通り、失った歯の両側の歯を土台にして、なくなった歯のところに人工の歯を橋のようにかぶせる、取りはずしのできない入れ歯のことです。
 土台にする歯は健康で何の問題もないのに削らなければならないこと、削ってしまうと歯はむし歯になりやすいというのがブリッジの欠点です。しかし、保険が利くこと、かむ力はほぼ変わらず違和感がないこと、土台の歯がむし歯や歯周病にならない限り長く使えること、入れ歯のイメージが強くないなどから、歯を1~2本失ったときの第一選択肢となることが多いようです。
 いっぽうで、健康な歯は生かすという考え方が主流の現在、時代を逆行している治療という考え方もいなめません。実際には、失った歯の本数が多い場合にはおすすめしません。
 土台にする両側の歯を削り、削った歯にクラウンをかぶせて固定して橋脚にします。両側のクラウンとブリッジの部分は、保険でつくる場合は金属なので、見た目を気にする人も少なくないようです

◆ブリッジを長持ちさせるには・・・
 支えにしていた歯が使い物にならなくなれば、ブリッジの運命も絶えてしまいます。橋桁が倒れれば橋も崩れるということです。
 支えにしている歯は削ってかぶせる治療をしているので、むし歯や歯周病のリスクも高くなります。支えにしている歯の健康を守るのが、ブリッジを長持ちさせる方法なのです。6か月に1度は歯科を受診し、汚れやすいところは歯科できれいにしてもらいましょう。

歯を失うということ

 前章までに、むし歯や歯周病、その他の歯や口の中の病気にならないためにできること、もしもなったらどんな治療を行うかについて述べてきました。
 治療の手を施せなくなってしまった歯の最終手段は、抜歯です。残念ながら歯を失ってしまったとき、どんな方法でかむ力を再生することができるのかについて述べる前に、歯を失うことが、人のからだにどんなダメージを与えるのかについてお話してみようと思います。

◆1本抜けるだけでもかみ合わせにゆがみが・・・
歯は親知らずを合わせて上下合わせて32本生えています。それぞれの歯はバラバラに動くのではなく、上下それぞれ1列がセットになって(歯列)、上下の歯がかみ合うことでかむときにかかる力を分散させて効率よくものをかんでいます。
歯を1本でも失うと、かみ合わせが崩れてかむ力に大きな影響を与えるのはこのためです。今までのように食べているつもりでも、食べこぼしをしてしまったり、飲みみ込みがうまくいかないため、胃にも負担がかかります。前歯を2本以上失うと、顔の形も変わってしまいます。
 前歯が抜けると、まず見た目が悪くなることを考えますよね。見た目を気にすると、つい抜けた歯を隠そうとして口を大きく開けることができず、対人関係に支障をきたすこともあるでしょう。抜けた歯の隙間から空気がもれるので、はっきりとした発音もできなくなります。
 しかし、なにより重要なのは、前歯が行う「食べ物をかみ切る」という作業がうまくいかなくなることです。
 また、奥歯は、前歯がひと口大にかみ切った食べ物を、舌の力を借りながらすりつぶしたりかみくだいたりしますが、奥歯が抜けてしまうと、抜けていないほうの奥歯ばかりを使うようになって、かみ合わせにゆがみがでます。下の奥歯が抜けると、その歯とかみ合っていた上の奥歯が、下の奥歯があったところの隙間に向かって出っ張るように伸び、歯の根がむき出しになってくることもあります。

◆歯並びも悪くなります
 歯の骨は生きていて、常に再生していますから、歯が抜けると抜けた歯のスペースに隣の歯が傾いてきます。長いこと歯を抜けたままにしておくと、抜けた歯の隣や上の歯だけへの影響にとどまらず、ほかの歯もどんどん移動して、しまいには抜けた歯のスペースがうまってしまうこともあります。
 アゴのスペースに対して少ない本数の歯が並んでいるわけですから、歯並びが悪くなってかみ合わせがうまくいかず、きちんとものをかむことができなくなります。抜けた歯のところにできた空間は、固定され続けるわけではないのです。
 また、歯は垂直方向の力には強いのですが、横からの力にはめっぽう弱いので、傾いて生えた歯には相当大きな力がかかってしまいます。その結果、歯が痛くなったり、グラグラしてくることもあり、健康な歯へのダメージも避けられません。
 さらに、歯並びが悪くなることで歯磨きもゆき届かず、むし歯や歯周病にかかるリスクも高くなってしまうのです。

◆どんなときに抜歯しなければいけないの?
 事故やケガで歯を自然に失うということはまれなことですよね。できれば抜かずにすませたい歯をどうしても抜かなければならないケースはどんなときでしょう。また、あえて抜かない方法を考えるときはというと......。
★からだに害を与えると判断したとき
 第3章で述べたように、歯周病によってからだのほかの部位に害を与えるというような場合は、抜歯を決断することがあります。もちろんそれは、歯を抜いたあとどんな治療をするかを考えたうえでの判断となります。
★重度の歯周病で両側の歯が健康なとき
 重度の歯周病で、そのままにしておくと周りの歯にも影響がでると判断したときで、両側に比較的健康な歯があるときは抜歯を判断します。抜歯してからブリッジにすることができるからです。
★ともかく抜きたくないという患者さんの場合
 どんなに歯の状態が悪くなっても歯を抜きたくないという患者さんがいます。
 ひどくなった歯周病で歯の根の先に膿がたまると、からだのあちこちに害を与えることになります。見かけが悪くなるのが嫌だから歯は残したい、歯周病を治して、またふつうにかめるようになりたいといっても、歯の骨の状態次第ではそれはかなわぬ夢であることを知ってもらいたいと思います。

◆歯がダメになったら、なんらかの犠牲は仕方がない
 歯が使い物にならなくなったら、歯にお金がかかるのは仕方がありません。
 麻酔を打って、抜歯をし、歯の切除や歯肉の再生など外科的な手術が必要になるのですから、やはりお金はかかります。できるだけ安く、しかもきれいでかむことに支障がないようにといってもそれは難しい注文です。
 何を犠牲にして何を守るのかは、医師とよく話して、よい方法をさぐっていかなければいけません。この章では、失った歯を取り戻すための4つの方法、ブリッジ、部分入れ歯、総入れ歯、インブラントについて述べていきます。

★自家移植という方法もある
 生えきらなかった親知らずなど、たまたま口の中に使わないままの歯がある場合には、その歯を抜いて、抜けてしまった歯の部分に移し植えることができる場合があり、これを「自家移植」といいます。移し植えた歯は、うまくいけば2か月ぐらいで歯根を包み込む組織が再生し、かむ力もかんだ感じも自然になります。
 ただ、うまくいかないこともあって、移植した歯根が4~5年で溶けてしまうということもあります。自家移植は、ケガなどで歯が抜け落ちてしまった子どもの歯の再生から生まれた考え方です。自費での治療で、あくまでもブリッジ、入れ歯、インプラントなどで治療する前段階のトライアルととらえてください。